王羲之の書風に合う、柔らかな羊毛、兎毛の筆。

顔真卿の書風に合った、剛性的な狸毛、鼬毛の筆。


奈良朝以来、日本の書道は、王羲之を絶対的な手本としてきた。

要するに、羊毛、兎毛の筆が主流。
 

しかーし。


唐から帰国して嵯峨天皇との交流時に

「書の手本となる達人は王羲之だけではないですよ」

と空海が伝えたかもしれないと、司馬遼太郎は推察する。


空海は嵯峨天皇に、腰のある狸毛の筆を献上。


この狸毛の筆の献上は、ある想像を可能にする。空海は嵯峨に、
「書は必ずしも王右軍(羲之)のみとは限りません。ごく近代の人でありますが顔真卿という巨人が出現しいていることをお忘れなきように」 
というようなことを、これより以前に言ったのではなかろうか。

『空海の風景』 二十八 司馬遼太郎 

総本山 金剛峯寺
 ▲ 総本山 金剛峯寺


日本の書道史を語る上で、避けては通れない人物。

空海。

臨機応変、自由自在に書法を操る能書家。


ということで、三筆の最重要人物の金剛峯寺。

金剛峯寺 正門
 ▲ 金剛峯寺 正門


12月の中旬という時期に参拝。

上着が無いと歩いていられない程の寒気。


日の当たらない場所には、たっぷりと雪がある。

ジャージの上に、ジーンズ。

手首まで包んでくれる手袋。

防寒対策ばっちりで良かった。


金剛峯寺 本殿
 ▲ 金剛峯寺 本堂


おおっ。

こちらが。


噂の。

金剛峯寺で。


御座いますかぁ~!


と近づいていく。


本堂内も拝観できるようなので、早速、入り口へ。


金剛峯寺「本日行事の為 拝観出来ません」
 ▲ 入り口に掲げられた「悲しいお知らせ」


今日は入れなくても、今晩は高野山に泊まるから大丈夫だもんね!


と思いながら、取り敢えず、御朱印をもらうために中へ。

念の為に、中の人に確認。


「明日は、拝観できますでしょうか?」

「いえ、今日、明日と二日間の行事で、拝観できないんです。申し訳御座いません」

「・・・・・・・・・・・・。な、なるほど・・・。」



リベンジさせて頂きます。

次回は拝観できますように!