よく知られているのは、堀口大学の訳。

敢えて、別の方の訳を引用。

私はえらばれていることの恍惚と恐怖を感じます
私は価せぬものです しかしあなたの寛大さを知っております
ああ なという努力 なんという熱意! そしていま

つつましい祈りにあふれております はてしない心の迷いが
あなたの声の啓示したあの希望をみだしてはおりますけれど
私はおののいてこがれております……

「神さまが私に言った……」 ポル・マリ・ヴェルレーヌ 橋本一明 訳

堀口大学の訳の第一文は

「撰ばれてあることの恍惚と不安と二つわれにあり」


太宰治が好んだ詩であり、小説「葉」にも引用されるもの。


太宰治文学碑
 ▲ 太宰治文学碑:芦野公園の登仙岬


太宰治が幼少時によく遊んだ芦野公園。

その登仙岬の木立の中に建立された文学碑。


ヴェルレーヌの詩も、刻まれています。

また、金色の不死鳥も格好良い。


今まで、色々と文学碑を見てきましたが

その中でも、特にお気に入りのデザインと趣き。


太宰治碑
 ▲ 太宰治碑:解説


小説家である太宰治の文学精神と全人間像を表現するに相応しいとして

ヴェルレーヌの言葉が、文学碑に選ばれたといった説明も書かれてあります。


訪れた時には、観光客、太宰治ファン、らしき人たちの姿は特に無く。

近所の人たちが、散歩がてらに立ち寄っている。

お母さんが子供を遊ばせに来ている。

といった感じでした。


命日である6月19日には、全国からファンが集まり、献花もなされるとの事。

東京都三鷹市の禅林寺では、「桜桃忌」もありますからね。

太宰治、凄いですな。


太宰治像
 ▲ 太宰治 銅像


文学碑の近くには、太宰治の銅像もあります。

思わず、見た時には、「おおっ」と声が出ました。


松林の中で、光があまり入って来ない状況だったので

明瞭に撮影は出来ませんでした。


肉眼で、しっかりと心のフィルムに焼き付けておきましたけどね。